「私」１０代後半。父、外国人で外交官。母、日本人で、ふくよかで、やさしそうな人。
妹１人。世間からみたら、リッチな家族に見えるだろう。
「私」幼いころ、誘拐され、自分で逃げ出した。が、また、追いかけられ、必死で逃げ、
どうやって生きてきたのかは、わからないが、１人で生きてきた。ある日警察に捕まって
両親の元へ帰ることができた。
再会した両親は、「私」を抱きしめた。母は、泣きながら言った。
「ずっと生きていると思って、人を使ってずっと探してもらっていた。」
あれから、この家で数日すごしているが、「私」だけ１人浮いている。綺麗な服が、似合
わない。誘拐されなければ、この妹のように、いいところのお嬢様でいられたのに。そし
て、「私」が受けるべき両親の愛情も、この妹が全部受けてきたのか、と思うと、妹が、
憎らしくみえる。

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